Tuesday, December 29, 2009

2009年なんでもベスト10 第1位はADRIAN TOMINE!

超個人的な2009年なんでもベスト10、第1位は・・ダラダラダラダラダ(ドラムロール)
ADRIAN TOMINE!

ぼく、この人のこと全然知らなかったんです。で、出会ったのが今年なんですけど、一目惚れでした!それで、洋書で一冊買ってしまいました。それがすてきですてきで。もーいまべた惚れです。

Adrian Tomineは1974年サンフランシスコ生まれ。現在ニューヨーク在住。1991年からはじまった「Optic Nerve(視神経?)」というシリーズが評判になり、ニューヨーカーの表紙やエスクワイアなどにも登場するようになります。

ワイアド・コムの評として「われわれの時代の偉大なグラフィックノベリストのひとり」とありますが、まったく同意見です。その魅力は、テーマと絵と会話がすばらしく一致しており、まさしくいまの時代の(けっしてわかくない)ひとびとを浮き彫りにしている点です。
なぜかよくわかりません。でも、いまのぼくの気分にも、考えたり感じたりしていることにひどく調和するのです。

たとえば「スーパーマーケット」というタイトルの話。盲目の男性がスーパーマーケットにやってきて、顔なじみの店員の若い女性に親切にされ、おしゃべりを楽しみます。しかし店を出てボーイフレンドとふたり連れのとき、おなじ盲目の男性とすれ違うと、「ちょっと黙って」とボーイフレンドにいってしまいます。
話としてはこれだけです。しかし、スーパーマーケットで若い女性が相手に親切にする仕草、会話の内容、盲目の男性の楽しげでどこかもの悲しげな様子。すべてが絵にマッチしていて、これはもう才能というしかないですね。

イラストもすばらしく、NEW YORKERなど、何度も表紙を飾っているようです。また日本の、特に辰巳ヨシヒロの本をプロデュースして海外で出版したりもしているようです。

SLEEPWALKをすこしづつ読んで楽しんでいます。

http://www.adrian-tomine.com/

さて、これでベスト10が終わったわけですが、惜しくも選外になったものは萬福亭のおいしかったコーヒー、ベケット伝、谷根千最終号、夏にいった友部正人さんのライブ(同じ列車で同じ車両でした!)、高遠の夏、長男の成長、などなど楽しいことがいっぱいあった2009年でした。

明日から水戸の実家へいくので、またPCを持ち歩くという習慣が基本的にないので、また携帯は通話のみの設定なので、ブログも年明けまでお休みの予定です。トゥイッターも。ではでは。みなさんよいお年を。夢をわすれずに!

今年のなんでもベスト10 第2位はアリュメットショコラ

いよいよ第2位までやってきました。けっこうたいへんですがやってみるとおもしろいですね、順位づけって。

今年のなんでもベスト10、第2位はDavid Painのアリュメットショコラと、David Painのスイーツに決定!

アリュメットショコラとは、パイの生地にカラメルソースを絡ませ、そのうえにチョコレートをかけたお菓子です。ぼくは、ダヴィッドのお店でみるまで知りませんでした。

ダヴィッドのブログを調べると、売り出したのは2008年11月ごろのようですが、今年の春先までずーっとこれを食べていた気がしますし、つい先日、わざわざ予約して買ったときにはやはりのうまさにほっぺがぼたぼた落ちるほどでした。

かかっているチョコレートもあまりあまくない、上質なチョコレートですし、もちろん天然酵母100%がウリのパン屋さんですから、ほかの素材もちゃんと考えてあるわけで、よそのお菓子とはひと味もふた味も違います。

あのですね、パイ生地のサクリ、とカラメルのさめて硬くなったパキャリ、と、チョコレートが一体になって口の中にひろがるうまさよ!至福です。つくるのに手間がかかるらしく、期間限定でしたがはやくまた再開してくれないかなー。こんなお菓子ほかにないぜよ。

もちろん、ほかのダヴィッドのつくるスイーツも今年も大変おいしくいただきました。マカロン、タルト、フラン、もちろんカルネ、ああ、クリームブリュレもまたつくってくれないかなぁ・・・。

堂々の第2位です。歩いて3分のところにこんな店があるなんて幸せ。そもそも引っ越しの下見のときにこのお店に遭遇しなかったら引っ越さなかったかもしれないなぁ。今年はもう少し畑もがんばるからね!

ダヴィッドパンのブログ | こちらはアリュメットショコラの記事
ダヴィッドパンのサイト

Sunday, December 27, 2009

今年のなんでもベスト10 第3位は藤幡正樹「不完全な現実」

いよいよベスト3になってきました。今年の第3位!

ベスト3 不完全な現実 デジタル・メディアの経験 藤幡正樹著 NTT出版

パチパチパチ。藤幡さんとは実は間にひとり挟まってのお知り合いです。あったことはないですが。ずっとお世話になっているマツコさんのお知り合いだったとか。
それはともかく、これは名著ですよ。なぜもっと取りあげられないか、まったくわからない。デジタル・メディア、またはメディア・アートというのは今の日本では既に過去のものとしてあしらわれていますが、世界的にはまったくそんなことはない。むしろ、PC/CPUの処理能力があがっているのでほんの数年前ならできなかったことも実現できる、非常に面白いことになっているのです。(それとは別になぜ日本でメディアアートが根付かず、過去のものになっているかは非常に興味深い)

藤幡正樹さんはメディア・アートの第一人者。現東京芸大教授。本書は2005年から2008年までに「インターコミュニケーション」に書かれたエッセイをもとに書き下ろしを加えて再構成されている。「リアリティとは何か」「ひとはリアリティをどのように感じているのか」をテーマに、その入り口としてデジタル・メディアを扱った、非常にユニークで刺激的な本だ。

本書にひいた多くの傍線から引用すると

現実感というものが常に人間の側で都合の良いように作り出されている。
不完全さを指し示すことによって、リアリティが現前するのではないか。
「現実は不完全であり、この現実では完成できないでいる事柄が存在する」
近代を作り出す上で、各個人が単一のリアリティの中にいるとするプロパガンダは非常に重要であったがしかしそれは幻想なのかもしれない。

第一章からだけでもこんな感じ。いかに自分たちが不完全な存在か、わかっているつもりでも別の角度からこのように再認識させられると戸惑う。
特に何かをつくろうと思っている(ブログを書いたりtwitterしたりも含め)ひと全般におすすめの今年のぶっちぎり刺激本。

Saturday, December 26, 2009

今年のなんでもベスト10 第4位はやっぱJB!

今年のなんでもベスト10、第4位は、やっぱJB! ということで、JBとはJoseph Beuys。

ヨーゼフ・ボイスといってもいまや知らない人も多いのではないでしょうか。ドイツの現代美術家で、1921年生まれ、1986年没。wikipediaの紹介はこちらを。

実に国内ではひさしぶりではないでしょうか、水戸芸術館で「Beuys in Japan:ボイスがいた8日間 」を開催中です。なんと生涯たった一度だけ、しかもたった8日間の来日をメインに据えた展示。それは1984年のことでした。国内のボイスコレクションも多数集めた展示、当時のドキュメントになっているビデオ上映などは非常に興味深いです。

ぼくは11月15日のシンポジウムにあわせて観にいったのですが、シンポジウムが13時過ぎからということで、肝心の展示を観るのが駆け足になってしまいました。とはいえ、1月後半までやっているのでもう一度ゆっくりといくつもり。

そのシンポジウムですが、どこにも話題にならなかった通り、時間の制約がありすぎてシンポジウムになっていなかったのは残念でした。各出演人の意見の表明だけで時間が来るとは。ちょっとツラインダ。毛利さん、木幡さんなど注目していただけにさらに。

レネ・ブロック氏(I Like America and America Likes Me / 私はアメリカが好き。アメリカも私が好き。が行われたNYのギャラリーオーナー)がボイスの最後の作品について、「わたしは血まみれだがわたしは笑う」(だったと思う)語ったのが印象的。

ボイス作品は難しいととらえられがちだけど、そんなことないと思うんだよなぁ。かなりダイレクトだよ。単純にまずかっこいい。作品の持つ力が非常に強力で、その背景を知りたくなる。

ともあれ、ヨゼフボイスはわたしの中で非常に重要な作家。それに久々に出会えたことは幸運でした。水戸芸、サンクス。



Friday, December 25, 2009

今年のなんでもベスト10 第5位は岸田衿子さん

今年のなんでもベスト10 第5位は岸田衿子さんとの邂逅です。

もともと、岸田さんフリークのカワグチタケシの影響もあり、岸田さんの詩集はたびたび読み返し、そのうまくいえない魅力を強く感じていました。子どもが生まれて、絵本をやたら買うようになっても、岸田さんの書かれた絵本をとても楽しく読み聞かせをし、また、息子も喜んできいていました。

今年の8月頃でしょうか。カワグチタケシと酒を飲んだ際に、僕たちなりのトリビュート企画ができないかという話になり、それならまずは岸田さんにしよう、ともりあがり、その後紆余曲折はありましたが10月後半に無事「EVERGREEN KNEE-HIGH REVUE」を古書ほうろうさんで行うことができました。出演者はダブルタケシと石渡紀美さん。

TKレビューはダブルタケシの頭文字がたまたまTKだったので、その略字をゲスト出演者に考えてもらうという趣向があり、たとえば第3回は「TUTU KALEIDOSCOPE REVUE」だったわけですが、今回はエリコ キシダなので「EKレビュー」、Eは主催者(ぼくたちです)の意向により「EVERGREEN」、Kを考えてよ、と石渡さんにふったら「KNEE-HIGH」という言葉が出てきたのでした。とてもいいタイトルで、気に入っています。だれもこの背景はわからなかっただろうけど。

ぼくは岸田さんの詩集「あかるい日の歌」からと、絵本をリーディングしました。じつはこの詩集は、以前一度お目にかかったときにサインをいただいたものです。(自慢)2、3年ほど前、地域雑誌「谷根千」さんの企画で岸田さんと奥本大三郎さんの対談を横できくことができ、その内容に抱腹絶倒でしたが終了後に図々しくも岸田さんにサインをいただいたのでした。うれしかったなぁ。

あと、ぼくは岸田さんのお父さんの岸田國士さんの書かれるものも大好きで、戯曲も一時凝って読んでいました。北村想さんのプロジェクトナビがやった「岸田國士戯曲SHOW」は忘れられません。ぼくが唯一みた岸田さんの戯曲の舞台化であり、レベルはもちろん相当すぐれていました。

今回のイベントをきっかけに岸田さんの詩をもう一度読み返し、あらためてその魅力を認識しました。モダンでありながら自然と調和している、不思議な魅力です。

今回のイベント企画の会場となった古書ほうろうさん、そして岸田さんとのつながりを支援してくださった谷根千工房さん、ゲスト出演の石渡紀美さん、そして岸田衿子さんに感謝します。ありがとうございました。

P.S. 先日保育園のバザーで朝六時から炊き出しを行い、ぼくは火の番をずっとしていました。薪の燃えるにおいが翌日になっても服に残り、それをかぐたびに岸田さんの詩を思い出しました。

※ダブルタケシとは、ぼくとカワグチタケシが一緒に詩の朗読を行う時のユニット名。サイトはこちら ダブルタケシプロダクション

Thursday, December 24, 2009

今年のなんでもベスト10 第6位はレナード・コーエン2作。

今年のなんでもベスト10、第6位はLeonard Cohen LIVE IN LONDON、LIVE AT THE ISLE OF WIGHT 1970

LIVE IN LONDONは、2008年7月にロンドンO2アリーナで行われた2枚組ライブ。DVDと二つのフォーマットで出ましたが、ぼくはCDだけ買いました。
1934年生まれですから、75歳のニューアルバムです。この歌唱が本当にすばらしい。一曲目の「Dance me to the end of love」から鳥肌が立ちます。ぞわぞわと!後半の「ハレルヤ」「I tried to leave you」などまで、大満足の一枚(二枚組ですけど)です。

これだけでもすごくよかったのに、年の後半に出た「ワイト島フェスティバル1970」が、またすごかった。これは、CDとDVDのセット販売なのですが、DVDがなんというか、こんなの残っていたの!というおどろきと、歌唱のすばらしさでなんで今まで出ていなかったの!というものです。コーエン35歳。夜中の2時に出てきて、60万人の聴衆を前にうたうコーエン。ひとことひとこと、言葉が伝わるように語りかけるコーエンに、それまでチケットトラブルで騒然としていた聴衆は聴き入ります。
マジック!

今年でたCDで、ベストです。すんばらしい。


こちら2008年。


こちら1970年。どちらもすばらしい。

Tuesday, December 22, 2009

今年のなんでもベスト10 ベスト7は「幼女と煙草」

第7位は「幼女と煙草」つっても小説です。今年早川から出ました。著者はブノワ・デュトゥールトゥル。舌を噛みそうな名前ですが、本国では既に有名。日本ではこれが初の紹介。1960年生まれのフランス人。

こうした小説は最近あまり読まれないのか、出版される数も少なくなってきているように思う。一言でいえば風刺の効いた寓話だけど、もっと大きく、不条理小説といっていい。もっと、いい話や壮大な活劇はまだ出版されているのに。小粋でブラックな不条理小説を!と思ったのでした。

タイトルから連想して買うと痛い目にあいます。

今年のなんでもベスト10 ベスト8はジェフ・エメリックとリボルバーとレノン。

ああ、あっという間に22日。今年中にベスト1までいくために、少しスピードアップを。


第8位はジェフ・エメリック「ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実」関連を。
この本は面白かったなぁ。2006年に出たときには知らなかったのだけれど、新装版で9月に出たのですよね。ぼくは10月頃に読みました。

ジェフ・エメリックはレコーディング・エンジニアです。15歳にしてロンドンのEMIスタジオ(つまり、アビーロード・スタジオ)のアシスタントエンジニアになります。そのとき、ちょうど1962年頃。デビューしたてのザ・ビートルズを16歳が間近にみたのですから興奮しないわけはないです。

ちょうど二十歳頃、ザ・ビートルズは「リヴォルヴァー」のレコーディングに取りかかり、そのチーフ・エンジニアになります。そこで彼は実力発揮、それ以前とははっきり違うサウンドをザ・ビートルズにもたらします。次のサージェントペパーでもエンジニアを続け、さらに発展したサウンドをつくりますが、ホワイトアルバムでは途中で降板。ま、その辺りは本を読むか、wikipediaでご覧ください。

なにが面白かったかというと、青春の興奮ですね。毎日のわくわくがつたわってきて、こちらもうれしくなります。また、ぼくはときどきサウンド&レコーディングを買うのですが、こうした機材話、出来上がったサウンドだけではなく、そのサウンドがどのようにつくられていったか、という話がとても好きなのです。ああしたディストーションはどのようにするのか、ハイハットはなぜか硬く聞こえるのか、そうした秘密が満載でした。

そうすると、当然レコードが聞きたくなります。ぼくが持っているのは旧版CDですが、それで十分ですね。久々に通して聞きました。タックスマンのギターがやっぱり一番かっこいい。ほかも、ギターとドラムの音がとてもかっこいいです。引きしまっている、タイト。

でもでも、リマスターはバラでモノラルをだしてくれたら、何枚か買います。お願い!

ですがですが、ザ・ビートルズはそのぐらいにして、ジョン・レノンを再度聞き込んでしまいました。なぜでしょうね。MIND GAMESを、車の中でヴォルームをあげて聞くと、泣けてきました。

Sunday, December 20, 2009

加藤和彦

「加藤和彦 ラスト・メッセージ」を読んだ。帯にある「青春、音楽、趣味的生活のすべて」は、少々大げさ。なぜなら、音楽史については半分以下も語っておらず、趣味に関してが半分かそれ以上を占める。もっともっと語ってほしいことは多くあるのに。
とはいえ、自死を選んだ加藤和彦の気持ちの一端は、あらわれていると思う。正直に書くと、自分にもそうした思いはある。だれにもあるんじゃないかな。この本を読んで、そうした自分の本心に戸惑った。

トロさんの考え方

トロさんのメルマガより。
テーブルに本を積む。
コーヒーをポットに作り、『したいことはしたくないー植草甚一の青春ー』を
午後1時半までかけて最後まで読む。
新潮社で2200円するソフトカバーってことは発行部数が少ないのだろうが、
値段設定に何の不満もない。この値段でいいから、きちんと売り、読者に届け、
赤字にしないでくれればいい。そして、メジャーブランドである新潮社が、
これまで晶文社あたりが作っていたタイプの本を出してくれれば
読者としてもありがたい。
地味だけど実りのある出版事業って、そういうものだろうと思う。
編集者の多くが者を離れてしまった(つうかリストラされた)晶文社は
もうそういう事業展開をしないだろうからさ。
ほとんど同じ考え方なのでここに掲載。
なんというか、しっかり作ってくれた本はわかる。
この日、トロさんと長電話していたのだけれど、
目を覆ってばかりではつまらない。
雑誌づくりにもできるだけ協力しようとおもった。

今年のなんでもベスト10 第9位は Sonic Youth "Eternal".


Sonic Youthは昔から好きでよく聞いていますが、今年出た最新作「エターナル」はひと味違う傑作でした。音がいいのです。メンバーそれぞれの特性がもっともよくでていて、タイトな引きしまった音響が、すばらしかった。最近、音楽を音響や鳴りなどからみる(きく)ようになってきて、これはおくれてきた音響派?とにかく、印象に残った一枚でした。

Wednesday, December 16, 2009

今年のなんでもベスト10 第10位はケルアック再訪


あっというまに12月も半ばを過ぎて、おどろきのはやさで時間が過ぎていきます。
今日もつくばはさむいけれど、青空がひろがり、いい天気です。すこし雲もあるけれど。

今年の音楽、本、そのほかもろもろ、ベスト10をつらつら考えています。なんというか、ひとくちでいって今年は激動の年でしたが、自分の身におこったこと以外で、考えています。BGMは、年末になると、というか、冬になると聞きたいThe Books  Lemon of pink。

第10位 ケルアック再訪
今年は何年かぶりにジャック・ケルアックを読み返しました。秋から冬にかけて。『地下街のひとびと』、『ビッグ・サーの夏』、『孤独な旅人』。『路上』の新訳(オン・ザ・ロード)は、実はまだ読んでいなくて(もっているけど)、旧訳を何章か読んだり。バリー・ギフォードの『ケルアック』も読みました。

ケルアックにであったのはたぶん、高校生ぐらいの頃。やはりというか、『路上』でした。すごいインパクトで、それからずっと重要な作家です。22ぐらいの頃、友人と芝居をして、その客入れのためと言い訳をして、ケルアック朗読CDの4枚組を(当時でも1万以上はしたのでは)大阪で買い、聞こえるか聞こえないくらいの音量で流していたのだけど、それを評価してくれたのはひとりだけでした。

それから何年かごとにケルアックが読みたくなり、だいたい読んだと思うのですが、なにしろケルアックなので、物語を覚えているというよりは、文章の持つイメージが、何となく残るというものです。

バロウズ、ギンズバーグ、それぞれに重要ですが、ケルアックは特別なのです。なぜかはよくわかりませんが。

今年よく読んだのは、『路上』の季節が終わり、ゆるやかにだめになっていくケルアックでした。この、「だめになっていく」というニュアンスがうまくいい表せませんが、パリに行ったり、ビートニクからはなれていき、死んでいくケルアックが心に残ったのでした。

Tuesday, December 15, 2009

わごむ


photo by michikazu

Sunday, December 13, 2009

買い取りについて!

古書、古本(同じだよ)買い取りをしています。
関東一円はお伺いできます。住居はつくば市ですので、そこからお伺いできる範囲は限られますが、栃木、福島、神奈川、ぐらいまでは高速でお伺いできます。もちろん都内も、千葉も、埼玉も範囲内。必要とあれば、軽トラックで伺いますので大量でも結構です。

ただ、より確実なのは段ボールなどによる宅急便で送っていただくことでしょうか。これは、ネット古書店の多くが採用しているシステムなのですが、少々詳しく。

  1. まず、買い取り依頼をお電話かメールでお知らせください。
    • TEL 029-836-7330
    • books@trixisfactory.org
    • こちらのフォームからお送りいただいてもけっこうです。問い合わせフォーム

  2. ここで、だいたいの点数、書名、状態などがわかりますとおおよその査定額をお知らせできます。点数が多かったりして面倒であれば、このステップはなくてもけっこうです。
  3. ご自宅などへ出張買い取りをご希望か、宅配便での買い取りかをお知らせください。
    1. 出張買い取りの場合→ご希望の日時にお伺いしますので、その場で査定、金額受けわたしなどをいたします。
    2. 宅配便の場合→当店まで宅配便でお送りください。
      • 305-0074 茨城県 つくば市 高野台3-14-35

  4. 宅配便の場合、到着後2営業日以内に金額をお伝えします(メール、もしくはお電話)
  5. 個々の査定額はPDFファイル、もしくはファックスにてお送りします。
  6. ご納得いただければ、ご指定の口座などに振り込みます。振込代金は当店が負担します。
  7. ご納得いただけない場合、宅急便にて返送いたします。送料は当店が負担いたします。
    • お送りいただいたなかで何点かのみが査定額に不満だった場合、該当の本のみ返送いたします。送料は当店が負担します。
不明な点は上記問い合わせメールなどでお気軽にお問い合わせください。
配送料とか、振込料とか、もろもろ無料(当店負担)になっていて、大丈夫かしらと自分でも思うけれど、たとえばGoogleに広告掲載したりする金額を考えれば、(つまり一種の広告費と考えれば)大丈夫なんじゃないかしら。


そういえば、ブックオフの買い取りシステム、ひどいと思うけど、利用している人いるのかしら。
  • 利用者>BOまでの送料はBO負担。これはよし。でも、査定額に不満の場合の送り返しは利用者負担。
  • 買取は30点から。(!)
  • 個々の本に関する査定額は非公表。利用者にも教えてもらえない。
  • 査定額に不満なので、では、あれとあれだけ返してください、ということもできない。全点買い取りか、全点戻してもらうか、どちらか。
これは、ほとんどトラップで、送った時点でブックオフの言い値で買われてしまうシステムじゃね?個々の値段を教えてくれないというのがわからない。いくらで買い取られたのかまったくわからないのね。300円の価値があるものでも、郵送した先で100円に(勝手に)決めて、いやなら他のも含めて返送、ですか。売り上げものびるわ。

クリスマスなんて大嫌い


なんちゃって

Friday, December 11, 2009

マニアにならずファンでいる

ウチの店は、あまりマニア垂涎、という品揃えではない。どちらかというと、初級から中級の読書人のための品揃えだと思っている。みたこともないサンリオSF文庫、とか、初版稀覯本とは、まあ、実際扱えないから、というのもあるんだけど、まぁ、それらも値崩れしているんだけど。
値段に関係なく、昔からマニアとか、苦手だ。マニアックなものとか、考え方とか、避けるようにしてきた。だから、SFとかミステリに関する知識も、本当にマニアックな人から見たら、全然少ないと思う。
裏返せば、ほっとけば自分は非常にマニアックな人間になるのだと思う。誰も知らなくても自分だけが知るよろこび、それはたしかに快楽だと思う。
でも、ある地点でマニアックな思考がどうでもよくなってしまう。いつもだ。SFマニアの人とか、すごいなぁ、とか思うけど、そこまでじゃないんだよなぁ。
ぼくはいつでも「マニア」ではなく「ファン」であると思う。その方が「これから知るよろこび」もあるしね。
お店もマニアックなものは少ないですけれど、楽しいものはそろえているつもりです。よろしくです。


このしおりは2002年図書カード。上野樹里です。

Wednesday, December 9, 2009

ようやくふっきる

なんというか、某マーケットプレイスがどうにも目の端にあって、上のたんこぶみたいで、とてもヤだったのね。だってさ、そっちの値付けより本当は相当安い、それはボリすぎだよ、という値段もいっぱいあって、だけどもじゃあ安い値段でだしたら、セドラレルんじゃないの、そんな投機目的で(しかも億単位の投機ならいざしらず)買われるなんてやだよ、と思って、相当な額に引っ張られているところもあったのです。でも、もういいや、考えてもばかばかしい。セドルんなら背取りなさい。でも、池袋(だっけ)ブックオフのオープンのときの光景ほどおとろしいものはない。みんな、携帯でマーケットプレイスの値段みながら買っているのね。はあ。でももうワシは関係ないよ。掘り出し物もでてくるかもよ。

Tuesday, December 8, 2009

Monday, December 7, 2009

少年とライオン


photo by father, drawing by michi.
忙しい風もようやくやんで、明日からは平常運転できそうです。

Saturday, December 5, 2009

バンバンバザー

保育所のバザーで、ことしはじめてバザー委員をやってかなり忙しい。
バザー委員とは滅私のこと、と今日冗談が出て、
それはちょっと違うだろう、とも思った。
無事終了しますように。
宣伝カーのアナウンス原稿チェックしなくちゃ。

Thursday, December 3, 2009

最近のレイ・ブラッドベリ

SF作家レイ・ブラッドベリ氏、「人類は火星人にならなければならない」

ブラッドベリの小説は非常に、非常にアメリカ的で、そしてファンタジックで、いつも魅了されます。僕はどちらかというと短編が好きなのですが、それもグッド・オールドなアメリカのルーニィチューンを思わせるからです。つまり、手製でアニメがつくられていた頃のハリウッド製のトムとジェリーとか、ポパイとか、ああいう感じです。

アメリカは非常に人工的で、だからこそ幻想的なのだと思います。どこにもない国、アメリカ。だからこそ魅了されるのではないでしょうか。まるでSFのように。

細野さんの最新アルバム「フライングソーサー1949」が、その雰囲気をモノにしています。あれは、昔ながらのカントリーをあり得ない音像(96khz)でとっているので、音そのものが居心地の座らない、浮遊感のあるものに仕上がっていて、そこが魅力になっています。(それをさらにモノラルで聞いたりして)

このことはいつか、長く書いてみたいテーマの一つです。
本店のブラッドベリの古本はこちらのリストから。

Tuesday, December 1, 2009

芸術は・・・

爆発だ!

drawing and photo by michikazu.

最後の真実

ジェフ・エメリック 「ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実 」という本を、
いつだ、日曜日からずっと手放さずに読んで、今、読み終えた。
面白かった!おかげで他の仕事がちょっとおくれている。でも、それをおいておいても読んでしまった。

著者のジェフ・エメリックは、知っている人は知っているだろうけどレコーディングエンジニア/プロデューサーで、何度かグラミーも受賞している。ビートルズでは、そのデビュー時から同じスタジオで働きはじめ、リボルバーとサージェントペパーでは、いろいろな録音技術を試み、そのサウンドづくりに大きく寄与した。

ともかく、細部がリアルで生々しい。ループサウンドをつくるのにテープの張りをキープするために、他の仕事の人を何人もかりだして、廊下に鉛筆を持って立たせ、ガイド役をさせたところとか、アビーロードスタジオ(EMIスタジオ)の運営に関する内幕がザ・ビートルズの解散に与えた影響だとか、ヨーコの振る舞いだとか、EMIスタジオはもとは軍事用の目的でつくられただとか、満載です。

ぼくはこうした作品の構築術(内幕の暴露や楽屋話とは明確に違う)が大好きなのですが、著者はものすごくイギリス人らしく、クールな観察をしています。

つまり感傷的に、センチメンタルに陥らずに書いているため、一種の報告書めいているところもおおいに気にいりました。

本当に、ザ・ビートルズは絶妙のバランスで成り立ち、そしてそれは青春であったのだなぁ、としみじみ感じます。そして、オール・シングス・マスト・パス。すべては過ぎ去るのです。

Thursday, November 26, 2009

flowers


photo by michikazu

Monday, November 23, 2009

dylan



本人か?!夢の競演?

post card


ポストカード フロム ボイス

Sunday, November 22, 2009

domo-arigato



Mr.ROBOT create and photo by michikazu.
中の割り箸を引っ張るとお辞儀します。

翻訳ミステリ応援団

遅くなったけれど、ハヤカワミステリ12月号を読む。お、今月は翻訳ミステリ応援団があるぞ。この連載は翻訳ミステリ応援団員(勝手に)としてはかならずチェックしなくてはいけない座談会だ。北上次郎氏、田口俊樹氏をホストに、例えば翻訳家、例えば出版編集、例えば批評家などの現場の人を迎えて、翻訳ミステリが盛り上がるにはどうすればいいのか、を論じあっている。

というか、そこまで翻訳ミステリは今読まれていないのか、と毎回びっくりさせられ、愛する翻訳ミステリをどのようにすれば愛していられるか、考え込まざるを得ない。

今回は、出版営業の3方が登場。早川、東京創元、扶桑の3社。その中で、扶桑社と東京創元は既に翻訳ミステリを単行本ではだしていないという。そうだったのか。

かなり厳しいのだろうな、という現場の雰囲気が、対談の端々からわかる。考えて棚を書店に作ってもらっても、売れなければ即終了、とか、売れないからこなくていいよ、といわれたりとか、会社としてもミステリがだめならロマンスを売ればいいじゃない、といわれたとか。

いろいろと余裕がないのだろうな、と思う。以前の記事で書いた糸井重里の「クリエイティブを頼む余裕(利益の中からクリエイティブに「おこぼれ」をまわす余裕がなくなってきた)」とかも同じことだと思う。翻訳でないミステリ、は、相対的にまだうれている、というだけで、まぁ、ほとんど売れていないのだろう。往来堂新聞でも、「本」が売れずに、雑誌ばかり、と書いてあった。

世知辛い、というひとことに終息してしまうのだろうが、それだとますます自分の首を絞めてしまうことになるのは目に見えている。

一方で、一緒に買ってきた「atプラス 2号」の「21世紀の市民社会」を読んでいると、次の突破口はかならずある、と考える。

ほとんど共感を得られないかもしれないけれど、翻訳ミステリの復興には、新しい市民社会、20世紀型 資本主義との決別が不可欠だと思う。なんつって。全然息もつけずに残業まっしぐらでそれでも貧乏、というのではミステリなど、ましてや自分の国とは違う、よくも悪くも異国情緒あふれる翻訳ミステリを読む余裕などない、というのは当然だ。

社会が変われば、読まれる本も変わる。当然だが。流行る歌も変わるように。今、よくもわるくも社会や生活は変わりつつある。(日本の政治云々とかいうレベルではなく)ひとりひとり、変わろうと思えば変われる実例もちゃんとある。まきこまれて変わらざるを得なくなったわけですが。でもいい変化だと思うけどね。こうしたドラスティックな変化は人生一回ぐらいだろうなぁ。こうしたことがあるから面白い、とも思える。

おいしいごはんがあって、家族が健康に生活できて、友達と鍋を囲んで、ぶらりと古本屋に入り、ミステリの一つも読んでいられれば最高だよ。ひとつ、昔と違うのは、そのために、どのように働くか、までをかんがえて働かなくてはいけないのだということ。昭和は遠い。そう考えながら今日買ってきたソウルコレクターを読む夜更けよ。

翻訳ミステリ応援団、古本屋の回はないのかなぁ。あればぜひでたいが。無理か(笑)。

Saturday, November 21, 2009

kitchen


photo by michikazu

Thursday, November 19, 2009

とても寒い日

少しずつ、売れています。ありがたいことです。
今日は、買い取りの段ボールがはじめて届きました。けっこう、いい本がはいっていたのでフンパツしました。

とても寒い日。まるで、1月ごろのような。なので、simon & garfunkelのパセリ・セージ・ローズマリー・アンドタイムをかけていました。

サイモン&ガーファンクルは、中学生の時、勉強を見てもらっていたお姉さん(知り合いの知り合い)が、再結成コンサートのテープを貸してくれて、それを繰り返し聞いていました。そのお姉さんは、多分、25、6だったのでしょう。教職の待機中だったと思います。塾にいきたがらないぼくに対し、親が知り合いのお姉さんをつれてきたのでした。1984年頃でしょうか。そのお姉さんからは矢野顕子の「オーエスオーエス」と、RCの「ハードフォーク」を貸してもらいました。「ハードフォーク」のLPはまだ持っています。高校にはいると、そのお姉さんからは卒業し、高校生活にはいっていったのでした。子供ながらに「終わりの季節」が大好きだったなぁ。

マーシーのソロアルバムに「とても寒い日」といううたがあって

とても寒い日だったので
雪があんまり降るもんで
ぼくは布団にもぐり本でも読んでいよう
あー雪が降る
あー友達は
こんな日も働いてるんだなぁ

こんなうたです。今日みたいな日はついつい口ずさんでしまいます。

明日はまた品だしができると思います。よろしくです。
クレジット決済はまだか!まだか!

Wednesday, November 18, 2009

snow night



今年の2月頃。家の窓からよその家の滑り台を見ていて。今日はこんな感じの天気。

勝手に紹介コーナー、第2弾。
オノ・ヨーコ A HOLE 2009年 12月 5日(土)~12月25日(金) ギャラリー360°

Tuesday, November 17, 2009

サパナの年賀状



いつも、昔から、なんによらずお世話になっている
早割もあるとか。
この「プロレス」、いいなぁ。
あと、No.15の「追いかける」も素晴らしい発想。 

Monday, November 16, 2009

ボイスのシンポジウム

前にも書いた「Beuys in Japan:ボイスがいた8日間」を見に水戸へ。
マルチプル(複製芸術)が豊富で、結構見せます。日本とボイス、ということで、やはりメインディッシュは84年の来日時のドキュメント。あちらこちらでビデオが流れています。学芸員の方が「ぜひ全部ご覧ください」とおっしゃっていたが、30時間あるそうで、とても無理。最後の閲覧室のみじっくり見る。ナムジュンパイクとの草月会館でのパフォーマンス、のあとの、質疑応答。
「貨幣は経済の枠内ではなく、法の分類なのです」「芸術は労働ですから、収入の権利がある」などのことばが強く印象に残る。」
いったん外にでて、軽く食事してからシンポジウムへ。1時からはじまって、終わったのは7時。長い割に、出演者が多く、特に二部のパネルディスカッションはかなりの消化不良。あれじゃ何にもわかりません。残念。日にちを分けて丁寧にやってほしかったなぁ。
展覧会自体はまたいこうと思うほど、よかったです。また書きます。

Friday, November 13, 2009

新コーナー「今これ読んでるよ」

北尾トロさんと電話作戦会議。長々とお話ししてしまい、すいませんでした。
そこで話にでた連載をいきなりコーナー化して、本日よりはじめました。

今これ読んでるよ

タイトル通り、今読んでる本を書いていくだけのコーナーだけど、本好きの人が、今なにに興味があるか、端的にわかるのは面白いのではないか、と。
更新は不定期です。なぜなら、新しい本を読むごとに更新していくから。また、その人が読んでいた本をさかのぼることもできるようにもする予定です。

新刊、古本、関係なし。コメントもあったりなかったり。でも考えてみると、読む本は新刊があったり古本があったりするわけですし、読んだ本にも感想があったりなかったりするあけですし。そのあたりが正直にでるかな、と。

トロさんの他にも数人の本好きの方にお願いする予定です。お楽しみに。

ベートーベン 月光 聞き比べ

ヴィルヘルム・ケンプ Wilhelm Kempff

グールド Glenn Gould


ホロヴィッツ Vladimir Samoilovich Horowitz


ルービンシュタイン Arthur Rubinstein


バレンボイム Daniel Barenboim

Thursday, November 12, 2009

drive my car


photo by michikazu

Wednesday, November 11, 2009

ニューズウィーク「本と雑誌と新聞の未来」特集

本日売りかな、ニューズウィークが特集していた。
キンドルの話と、コンデナスト「グルメ」誌廃刊の話と、新聞救済の話と、ブログの話と。

キンドルは、もしくはNookは、確実に普及し、売り上げを伸ばしていくだろう。
おそらく10年後くらいには、広く一般に浸透し、売り上げが紙の本を抜いた、などと伝えられるかもしれない。
遠くない将来、ネット広告がテレビ広告の売り上げを超えるように。

思えば、iPodがでる前、みんなはなにで音楽を聴いていただろう。
MD? テープ? あのかさばるCDウォークマン?
iPodがでたのは2001年。まだ10年経っていないのに、すっかり音楽デバイスの中心にいる。
割安の音楽データを買うために、1−2万のハードを買うことを誰もためらわない。
同じようなことが本におこるだろう。
もちろん、今のキンドルやNookは改良され、(iPodのように)製品としてさらに使えるものになり、洗練されていくだろう。
飛行機や旅先で、また寝転がって布団の中で、キンドルを読むのが日常になり、
そのキンドルには新聞もブログも読めるようになるだろう。
(寝転がってデータ文字を読むことができるのはかなりのウリなんじゃないかな)

では紙の本は絶滅するかというとそんなことはなく、
少々お高く、価値のわかる、違いのわかる人たちのものになるだろう。
今やちょっと話題のCDは、データででて、CDででて、LP(重量級)ででるように。

ソニック・ユースのサーストン・ムーアはデータで音楽を買ったことがないそうだ。
そういった人はかならずいる。
絶対数はもちろん少ないけれど。そうした人たちのモノへの考え方は変わらないし、だからといって悲観したり寂しがったりする必要もない。商売のやり方が変わるだけ。

考えてみれば今でもハードカバーと文庫本/ペーパーバックがでているしね。
ペーパーバックはどんどん電子化されるんだろうな。
売れ筋のハードカバーは売り手の利益率を考えると、発売後しばらくは電子化されないかもしれない。
それはその本への到達スピードに対価を支払うか、というだけのこと。
売り手の存続のためにはある程度は必要なことだと思います。
(タワレコで輸入盤の入荷時期が調整されていたりとかとおなじこと)

ただ、今までのやり方は、そのままでは通用しなくなる。
新しい作り方、売り方、流通の方法は考えなければいけないけれど、
反対にいえば、それだけだと思う。
なので、あまり大騒ぎすることはないと思う。

それで、この特集を読んだ感想だけれど、
本というものは昔は高級なもので、一般の人は手にすることができず、
辻話やそれこそ詩の朗読、歌手のライブで「人の話(フィクションも、情報も)」を
手にしていた、そうした時代にまた戻っていくのかなぁ、と。

紙のメディアは値段がついて、(相対的にも)高くなっていく。
100年ペーパーとか、革装とか、付加価値もついていく。
無料か、かなり安いメディアはかぎりなく中身のみの値段になっていく。

個人的にはまったくそれでいいと思うのですが、
今までの仕組みで回っていた部分は組み替えされるでしょう。
その組み替えの際に、なにがなくなり、なにが残るのでしょうか。

往来堂のオイリさんは、紙の絵本は残る、といっていました。
紙の絵本はメディアとして一番最後まで残る、と。
そうかもしれん。

sto


photo by michikazu

翻訳ミステリー大賞のこのページを見て、シャイニングを読んでいます。
昔読んだような。ほぼ忘れているような。映画はしっかり覚えているけど。

Tuesday, November 10, 2009

21世紀のボイス

今一番興味がある展覧会なのに、ほとんどどこにも見かけない不思議。

2009年10月31日(土)~2010年 1月24日(日)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー


国際シンポジウム「21世紀にボイスを召還せよ!」
・日時:2009年11月15日(日)13:00~18:30(開場12:30)
・会場:水戸芸術館コンサートホールATM

第一部(英・日逐語通訳)13:15~15:00
基調講演 1:レネ・ブロック(Tanas ベルリン、ディレクター、キュレーター)
基調講演 2:オイゲン・ブルーメ(ハンブルガー・バーンホフ現代美術館チーフキュレーター)


第二部(英・日逐語通訳)15:15~16:40
パネルディスカッション 1:消費社会とユートピア
モデレーター:四方幸子(NTT インターコミュニケーションセンターキュレーター)、パネリスト:仲正昌樹(金沢大学法学類教授、現代思想)、毛利嘉孝(東京藝術大学准教授)、
山本和弘(栃木県立美術館シニアキュレーター)

第二部(英・日逐語通訳)16:50~18:10
パネルディスカッション 2:アクションは生きているか?
モデレーター:木幡和枝(東京藝術大学先端芸術表現科教授)
パネリスト:小田マサノリ/イルコモンズ(民族学者、アクティビスト、元現代美術家)、白川昌生(現代美術家)、椿 昇(現代美術家)


ボイスはダイレクトにやってくるんだよなぁ。
説明は難しいし、すぐにそれてしまう気がするけれど、これほど理論的な芸術も珍しい。
どうして今の日本で忘れられているんだろう?
このシンポジウムのタイトルはいかがなものか。行く予定だけど。

Sunday, November 8, 2009

納得いかない。

クレジット決済代行サービスのもろもろが終わったとたん、納得いかない事態に陥る。これじゃ収益構造がなりたたない(おおげさ)。
計算では、クレジット手数料5%で、メール便だとやっと利益がでる予定なのに、クレジット決済はメール便ではおくれないだそうで。いまのいままで知らなかったよ!どうしようか、と落ちこむこと半日。だって、この決済サービスの申請だけで1ヶ月かかっているのに。未知の領域。というか、請負仕事でなくてよかった。
気をとりなおし、別の決済代行に申し込むことにしました。ちょっと納得いかないなぁ。

pen light


photo by michikazu

Saturday, November 7, 2009

thumbs up!


photo by michikau.

Friday, November 6, 2009

クレジットまで何マイル?


クレジット決済の書類届く。
もう少しでクレジット決済導入ができそう。

Thursday, November 5, 2009

blurred world


photo by michikazu.

Tuesday, November 3, 2009

広告とは本質的に暴力

例えば、ぼくは島耕作という漫画が虫酸がはしるほど嫌いなんだけど、最近アクロバットのバナー広告であの顔が非常によく出る。もうその度にページを消したくなる。消すまでは行かないけれどなるべくそこをみないようにし、早めにスクロールするようにする。

別のことを考えていて、広告批評のことを調べていると、天野さんのインタビューがあった。
ここに、「テレビCMは暴力的」という一言がでてきてはっとした。

テレビCMだけではなく、バナー広告までも含めて広告とは本質的に暴力なんだ。

その(商品の価値観、だけではなく商品を使う生活の)価値観の伝え方は一方通行でこちらの都合は無視されている。というか、占領されることがよいとされる。価値観の占領こそ、広告の目指すところだ。

もちろん、ソフトなものからハードなものまで、その表現(クリエイティブという言葉を使うならそうだけど、創造的というよりは技術的)はさまざまで、マッサージ的なものもあれば本当に無理矢理そちらを向かせる、というものもある。けれど、その本質はやはり暴力だ。

国のシステムは収奪と再配分だけれど、企業には実は再配分の機能はない。暴力的に収奪され、その見返りは、買ったとたんに古くなる「最新商品」だけだ。(その回転が経済と信じられているけれど)(実は違うと思うのだけれど)

広告が暴力であるということを知っている広告はさらに息苦しくなる。狡猾の域に入っているからだろうな。そして、そうした広告があふれている。特にテレビなどの既存広告には。
そして、ウェブの広告はそのポータルサイト作りからバナー広告、SNSまで含めて暴力的でないはずだったのに、全くそんなことはなかった。広告とは、既存メディアか新しいメディアかに関わらず、暴力なんだ。
と、あの大嫌いなバナー広告をみてそう思う。

(バナーが消せるソフトがあるよ、ということは、テレビCMがHD録画で跳ばすことができるよ、というぐらい意味のないこと)

結局、テレビとおなじく不動産のやりとりのようなことが行われている。視聴率のかわりにPVで立地条件をかえ、動産価格をつり上げ、枠を誰が持っているか、が広告の価値につながっている。動産価格のためにPVを増やさなければいけない、そのためのウェブの企画であり、その制作である。まったく同じ構造なんだ。

最近の雑誌休刊は実は広告環境の変化にすぎないと思っているんだけど、その一番のポイントである広告批評が今存在しないということはシンボリックだなぁ。

広告の本質は露呈し、それは変わらない。

天野さんもインタビューの最後の方でいっているけれど日本のグラフィックデザインはすばらしい。仲畑貴志さんのような、言葉の技術のすばらしい人もいる。

だけどその技術は、実は暴力の基盤のうえで繰り広げられている技術の巧拙でしかなかった。それでいいじゃないか、という自分と、そうだったのか、と驚いている自分がいる。

Saturday, October 31, 2009

birthday


cake!

Thursday, October 29, 2009

カーテン


photo by michikazu

Sunday, October 25, 2009

what do you see?


photo by michikazu.

Wednesday, October 21, 2009

雑多な、あまりに雑多な

いろいろと考え込たりして、なかなかまとまらない。

なぜこの店で買ってしまうのか ショッピングの科学 [新判]を読んだ。
商品になる、というのは命がけの跳躍だが、
消費者になる、というのも命がけの跳躍なのだということがわかる。

雑誌、読まなくなったなぁ。
いや、昔は読んでいたのだろうか。ちょっとこの話は改めて。

煙草と幼女、面白い。不条理というか非条理?

お客様にきていただくためのサービス考え中。
しかし、宅急便ってこんなに高かったっけ?

Monday, October 19, 2009

green / stones


photo by michikazu

Wednesday, October 14, 2009

ああ、mac遍歴

一番はじめにコンピュータを触ったのはPC-98。ワープロ代わりに事務所にあったものを使っていた。5インチフロッピーで起動させ、入れ替えて打ち込み、ということをやっていた。あとは、ゲーム。といってもすぐに飽きたけど。
編集プロダクションのようなところに就職(?)して、LC575を触った。今調べると1994年頃とある。うむむ。ドル86円かぁ。今もそんなものだが。漢字Talkは7.1か。インターネットもまだなかった。いや、あったのだろうけれど触ったことはなかった。友人のデザイン事務所には8100とかあった。
その後、海外に行くときには何も持たず。帰ってきてから東京に出て、別の事務所で働きはじめた頃、なんだっけ。もう忘れたけれど、PowerPCのタワーではないやつ、だから8200とかかな、を使っていた。インターネットの仕事をはじめた頃。
で、その事務所も辞めて、再度海外へ行く。このとき、確かほとんどはじめて自分で、自費でマックを買った。忘れもしません。Powerbook145B。1993年発売だから相当中古で型落ちもいいところだったけれど、すごくかわいいやつだった。主にメールとテキスト打ちしか使わないから。これはこの世紀の終わりまで持っていた。
海外から帰ると世の中はG3になっていて、青いマックを安く譲ってもらった。これではじめてDVDを見る。同時にはじめて自費でWindowsを買う。dynabook。
G4は新品を買ったのではないか。Quicksilverではない灰色のもの。なので、おそらく2001年。ただ、同じ頃にDELLをデスクトップとノートブックの2台買い、メイン機はそちらに移った。特にXPはよくできたOSだったと思う。まだありますか、そうですね。イラレもフォトショもフラッシュもXPの方が軽く感じられた。世のほとんどの仕事のウェブはXPだったし。フォントや書類のやり取りや古いQuarkを見るときだけG4を立ち上げていた。
そのG4が去年、立て続けにお亡くなりになった。ぼくのと、妻のQuicksilver。appleに電話しても、有償ですら修理できないという。何ということ。データだけは救い出したが、さて困った。しかもDELLのデスクトップも5年を過ぎて起動しなくなった。
というわけで、まだリーマンショックの余波がやってきていなかった去年2008年の末、iMacを買った。OSXはG4に(pantherとかを)入れていたけれど、CPUとかがOSに対してプアで使い物にほとんどならず、本格的に使いはじめたのはこのiMacから。
これがいいんだな。すごくいい。どういいのか。美しく、楽しいのよ。病院のスリッパとニューバランスのシューズ、といったら言い過ぎか、言い過ぎだ。けど、久々のマックは昔のマックを思い出させてくれるほどによかった。その気持ちはまだ続いている。
うちにあった最大6台のパソコンは、3台が使えない状態になり、今はメイン機のiMacと、XPのノートパソコン2台の3台。XPのノートは逆転して昔のデータの管理用になっている。
iMacは3.06Ghz Intel CoreDuo/4G/24inch。ちょっとほかのものを買う気にならない。
ただ、妻用のデザインマシンが必要なのだけど、リーマンショックの余波がやってきた我が家にはiMacすらすぐには買えないし、せっかくのナナオのモニタも使えなくなる。というので、mac miniを買おうとしている。
しているのだけれど、約2週間ほど前からネットで新しいminiがでるでるといわれ、まだ買えないでいる。毎日apple storeみてはため息。早くでてくれ!すぐ買うから。

追伸 でも、4年つれそったiPod Photoは、3回のHD換装の後、先日ついにお亡くなりに。ちょっとやわすぎるなぁ。次はしばらく買わないよ。

Tuesday, October 13, 2009

スチュアート・カミンスキー 1934-2009

翻訳ミステリー大賞シンジケートにてスチュアート・カミンスキーが亡くなったことを知る

2005年3月に書いた書評を再録します。

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友達とつれしょんべんだ
ロビン・フッドに鉛の玉を BULLET FOR A STAR スチュアート・カミンスキー 和田誠訳

いやぁ、参りましたというしかないな。なにが、というと、まずその博識さ。ぼくは映画マニアじゃないけれど、ハンフリー・ボガードやジュディ・ガーランド の名前ぐらいは知っている。そんな人が思わずニヤニヤしてしまうことうけあいの、1940年のハリウッド、ワーナー・ブラザーズ撮影所を舞台にした探偵小 説。

依頼人に探偵が会いに行くと、向こうの窓からウィリアム・フォークナーが微笑みかける。ハンフリー・ボガードはマルタの鷹の役を欲しがっている。チャールトン・ヘストンのラッシュが試写室でかかっている・・・。

依頼人は、エロール・フリンという往年のハリウッド・スター。ロビン・フッドの冒険(1938)で知られる。だから邦題がロビン・フッドに・・となっている。残念ながらこの映画みていません。
彼がスキャンダル写真がらみでゆすられているところから話ははじまる。その写真とネガをめぐって探偵はハリウッドを駆けずりまわる。

映画の知識があってもなくても、当時の華やかな撮影所の雰囲気と、ハードボイルドな雰囲気が二重に楽しめるようになっている。もちろん、映画のうんちくを知っている人にはさらに楽しめるだろうけど、解説には和田誠がいちいちうんちくを語ってくれているので大丈夫だろう。

作者のスチュアート・カミンスキーは解説によると映画史の大学教授だそうで、この虚実ないまぜのおはなしをつくるのは楽しかっただろうなぁ。

翻訳がまたいい。和田誠の訳は、平易でわかりやすく、なにより楽しんで訳しているのが伝わってくる。「つるしでいいから背広を」など、最近ではつかわない だろう言葉の方が頭にすんなり入ってくる。やっぱり、小説は名詞だ。この人の描く絵に通じる、親しみやすくストレートに伝わり、しかも滋味があるというの か、これにも参りました、だ。

探偵事務所が歯医者を間借りしているのは、関川夏央・谷口ジローの事件屋稼業を思い出して、へんなところでぼくはニヤニヤした。

昨日深夜から読みはじめ、ちょうど人が殺されるところで友達から呑みの誘いの電話をもらったんだけど、時間は夜中1時過ぎ。これにはびっくりした。ドキッとしたなぁ。それから朝四時過ぎまでかかって読み終わった。

タイトル(「友達とつれしょんべんだ」)は、なんとボギーが探偵を誘ってハイ・シエラを撮っている(!)撮影現場から離れるとき、撮影スタッフにぽろっというせりふ。きまってるなぁ。

nature


photo by michikazu, my son.

Monday, October 12, 2009

チラシ2弾

ゆっくりオープン

現在40冊程度しか入力されていません。
ぜんぜんすくないわ!
毎日入力していきますのでよろしくお願いします。

Friday, October 9, 2009

shop card#1



shop card 第一弾。女の人には受けなさそう、と言われました。

so beautiful


photo by michikazu, my son.

Wednesday, October 7, 2009

kindle発売

前々から気になっていたAmazon Kindleが日本でも買えるようになった。すごく気になります。まだ英語しか表示できないらしいし、まだまだ洗練されていく余地はあるのだろうけど、iPodのでた当初もそうだったように、4−5年もすれば相当本気で使えるのではないでしょうか。
正直言って、少し欲しい。Kindle DXがいいなぁ。もっと安くならないかなぁ。なるでしょうね。

これから古本屋をやろうというのに、何事かといわれるかもしれませんが、わたしはこうした電子ブックと紙の本が敵対関係にあるとは思えません。補いあう関係ではないでしょうか。
雑誌や新聞はどんどんKindleのようなものやiPhoneなどで読まれるでしょう。

そして紙の本はどんどん重要になっていくでしょう。高価になるかもしれません。今、CDとデータとアナログがあるように。最近の気になるCDはかならずアナログ180g重量盤が作られています。量はもちろん少ないのでしょうが、それでも商売になるのでしょう。CDの販売、データでの販売よりもライブ収益の方が高いということもあります。いいことじゃん。
なので、あまり騒いだりすることはないと思います。

という視点に立つと、一個人の興味としてKindle便利で読みやすそうで、よさそうなのです。ペーパーバックや雑誌を読む代用品としては。

Tuesday, October 6, 2009

毎日更新しないといけない のか?

毎日更新していると、読みにくる人は増える。これは確実。
でも、テレビを見ているとわかるように、毎日更新するために、ろくでもないことを流すことも嫌だ。
穴埋めでも、楽しめるものを。

開店マジか 間違った。 間近!

Monday, October 5, 2009

共鳴するところとしないところ

ほぼ日の本、という本を読んだ。
イトイ新聞についての本。(うまくいえるかなぁ)
立ち読みした「考える人」という雑誌に、広告の仕事から離れていったときのことはほぼ日の本に詳しく書いてある、と書いてあったので、そっちも立ち読みしたら、もう少しちゃんと読みたくなったので買って読んだ。

糸井重里というひとは、子供の頃、まぁ、告白するとあこがれの対象の中にいた。橋本治とか。村上春樹もその中にいた。中学生ぐらいの頃。1980年前後。何に憧れていたんだろう。軽さ?言葉を扱う職業だから?文化とのつながり?まぁ、よくわからない追っかけのようなものだった。中学生だからなぁ。そういえば、若者たちの神々、って本もよく読んだなぁ。

その後、あっという間に興味の対象から外れていったのは、なんでだろう。覚えていないけれど、いつからか面白くない、と思った。バンドや、演劇の方がずっと面白かった。ついでに告白すると、さらに野田秀樹へいき、坂口安吾に出会い、今に至るといっても過言ではない。そりゃ、安吾と比べる方が悪いか。

いろいろあって、広告の仕事をするようになってからはなんだか昔思っていた、つまり、イトイがおもしろがっていたように(みえたように)面白い仕事じゃないんだ、と思った。別の面での面白さはあったけど。それはまた別の話し。

それで、なんだか昔好きだったけど、もう気持ちはさめさめ、という女の子にたいするような、少し複雑な気持ちを抱えていた。

ほぼ日の本を読んで、ああ、そうだよなぁ、と共鳴するところと、それはまったく違うね、と思うところと、ぽつりぽつりとあった。

広告制作の仕事について、
「もともと広告の媒体を商いする代理店が、不動産会社のように『媒体という土地』を売って、その利益の一部を「クリエイティブ」と呼ばれる制作部門の経費にまわしていた。長期の不況でメディアの安売りがはじまると、利益の中からクリエイティブに「おこぼれ」をまわす余裕がなくなってきた」
「広告媒体は増える一方だからメディアの相対的な価値はさらに下落し」
「代理店の媒体を売り買いするときのマージンは今までの何分の一かになっていくだろう。そうなったときにはフリーのクリエイティブの仕事の人間に「おこぼれ」をまわすことなどできなくなる」
というのはまさにそうで、広告の仕事は今やどんどん上流で行われている。最終的にはクライアント自らが制作することになるんだろう。広告制作会社、というのはなかなか存続しにくい形態なのではないか。すくなくとも、大もうけできるような仕事ではなくなってきている。

(この、大もうけできなくなる仕事、というのは今やすべてにおいてそうで、出版でも、音楽でも、流通でも、町の八百屋さんや鉄工所とおなじぐらいのスケールになりつつあるというのが実感。まぁそれはいいとして)

媒体という土地は下落する一方だから、なんとか利益を上げることのできる媒体の開発を代理店は行っている。一時はウェブが利益を上げることのできる媒体だったが、そうではなくなってきた。さんざん苦労しているけれど、うまくはなかなかいかない。だから、既存のやり方で薄い利益でなんとかやっている。やっていけないところもでる。しわよせはおこぼれを授かっていたところにくる。実際のデザインやそれこそウェブ制作会社などは、おこぼれが極端に少なくなるが、それでもいい、という人はやっている、という状況が、今現在。

イトイ新聞がやってのけたのは、下落しない媒体の開発なんだ。銀座の目抜き通り、という表現が本の中にもあったけど。広告の仕事の基礎工事をやって、そのうえでやっているのはやっぱり、広告だ。いいじゃん。
それがね、なんでこうも腑に落ちないのか。

きっと、何を大事にしているかが違うので、もうそれはなんというか、やっぱりうまくいえないけれど。
そりゃなにからなにまで共鳴することはできないよなぁ、と当たり前のように思う。

スケールの話しかなぁ。たとえば「大量生産品ではないものを確実に育てていく場は大きな広場の方がいい」「大きな都市である東京には、とにかく無数の仕事がある」とか、こういった考え方は今のぼくと相当違う。

または、こんなところ。
「商品そのものに魅力のないものを、いくら広告で売ろうとしても、本当は無理なのだ」
完全に正しい。
そして、おそらく「魅力のある商品」を、作ることのできる場としてイトイ新聞は機能してる。いいじゃん、理想じゃん。
でも、自分で考えだしているのは場であり、またはそれをクリエイティブに広告する、というところで、その根幹の商品そのものではない。ここかなぁ。でも、全然それでいいじゃん。とも思う。

この違和感をことばするのは相当難しい。
拡大しなくても幸せに暮らせる、だろう?ってことかなぁ。
それぞれの言葉にひもづくイメージの個人差や、言葉に対する感情の違いがすごく大きいんだけど。「拡大」「幸せ」「暮らし」。きっと、その言葉の後ろが本当に人それぞれで、それによって人生が変わるんだろうなぁ、と。

そんなことを考えています。それにしても長いなあ。少し疲れちゃったよ。

Monday, September 28, 2009

もうちょっと

もう少しで開店(のはず)

Sunday, September 27, 2009

みんなかんがえていること

近所のDというパン屋さんにお邪魔してお好み焼きパーティー。おいしかった!
そこで話したこと、この間の近藤さんライブでのMさんとのおしゃべり、
須賀敦子の書店、佐藤秀峰とか炎の営業日誌とか、ここの連載とか、Tさんとの電話とか。
うまく言えないけれど、みんな同じようなことを考えているように感じ、そしてそれは延々と時代ごとに考え続けられてきたことで、ようやく自分がそうした考えができるようになってきたのだろうか、それとも、今の時代背景だからこそ、みながもう一度考えるようになったのか。
いってみれば、生活のことだけれども。
こういうことをじっくり考えることができて幸いだ。考えるだけじゃだめだけど。

David Pain 楽しかった!

Thursday, September 24, 2009

壁というか、障害というか

やっぱり、一番買いにくい障害は振込料、送料につきる。これはどうしたらよいのか。これだけはアマゾンにかなわない。
アマゾンのシステムをそのまま使うというやり方も理解できる。でも、本を1円では売りたくない。何かがおかしい。
まずは、昔よりは敷居が低くなっているであろう、クレジットカード決済を申し込む。問題なく通ればよいのだが。メール便で出すだろうからこれだと5%+180円が一冊当たりの必要経費。+30円ぐらいは梱包材でかかるだろう。
振込料は高すぎる。みずほとゆうちょに口座を作ったけど。。。

写真

本の写真撮影って難しいなぁ。

Friday, September 18, 2009

許可証

古物商許可証ができた、と窓口担当の方から電話があった。
商工会の用事を済ませてから再度警察署の生活安全課へ。
許可証自体は古い生徒手帳のようなものだが、ほかにプレートがあってそのプレート代を1750円現金で払ってきた。なんだかおかしい。プレートはさらに一ヶ月かかるのこと。ネットのみだからおくところもないのだけれど。だが、これでようやく買い取りができるようになる。よかったよかった。思ったより早い対応だったのも好感。サイトをすすめなければ。

Tuesday, September 8, 2009

radio chet

今日はラジオを聞いて過ごした。
朝はpodcast `new yorker : out loud` `BBC radio news pod`。夜は`元春radioshow`。


「美と破局」 辺見庸に、チェットベイカー晩年の東京ライブについてのエッセイがある。(辺見庸、実は好きなのです)
既にそのライブ盤は廃盤でアマゾンなんかでは馬鹿高い。こんなときにもyoutube。あった。(youtubeはラジオのように、一過的に音楽を聴くのに長けている)
1988年5月、アムステルダムのホテルの窓から歩道に転落、死亡する11ヶ月前、チェットは生涯で最高といわれる演奏を東京公演でなしとげている。(略)ああ、人はここまで堕ちることができるのか。にもかかわらず、いや、だからこそここまで深く歌えるのか・・・わたしの場合はそうした思いから泣かされたのである。(略)ここに疲れや苦汁があっても感傷はない。更正の意欲も生きなおす気もない。(後略)
甘美な極悪、愛なき神性 新たなるチェットベイカー
これによるとチェットが一生で費やした自分ひとりのための麻薬代金は(少なく見積もっても)600万ドルという。おなじ東京公演から。


このチェットをかけると、声に応じるかのように野良猫が長く愛の声をあげはじめるのが不思議だ。

そして、こうした音楽に救われる気がするのも、不思議だが本当だ。

Monday, September 7, 2009

なんだか最近は

ケルアックとか、ランボーとか、読み返している。
なんだかそんな気分。何周目だよ。

ケルアックは、ビートニク三羽がらすの中で一番早く死んだこともあって、
どうしようもないおじさん扱いされているけれど
実は一番特別な存在だ。なぜだろう。

昔の知り合いの名前をつい検索したりすると
深酒になるので注意。

Friday, September 4, 2009

TYPOGRAFFIT



たしかにすごい!すばらしいアイデアと実行力だと思います。敬服。

http://typograffit.com/

めっさこのみ。このままロゴにしようかしら。

これを思い出した。

このビデオのラストです。


交換した雪豹は無事動いています。

Thursday, September 3, 2009

snow leopard

今日買ってきたのですが、インストールしようとすると噂のエラーが。当たりをひいてしまった模様です。
明日交換に行ってこよう。

Wednesday, September 2, 2009

興味深い

やる気に関する驚きの科学
Daniel Pink

きたいはずれ

さっき読み終えたryのn賞受賞作。がっかり。リアリティがまったくない。
なんというか、とてもご都合主義で、雰囲気でごまかそうとしている。
宮部みゆきの松本清張評に「こだわらないことにこだわる、だからこそリアリティが生まれる」というのがあった。こだわらない、というのは、登場人物が特別でないということだ。登場人物が特別でないことにこだわるからこそ、リアリティが生まれる。そういうものではなかったか。
リュウ・アーチャーも、マーロウも。

しるしをつけてやる

今、BBCをネットラジオで聞いていたらScreamin Jay Hawkinsの「i put a spell on you」がひょっこり聞こえてきた。ひさしぶりにきいた。不思議と力がわいてきた。
昼間、コンビニでは小沢健二の流星ビバップがカウントダウンされていた。なぜだ?

Tuesday, September 1, 2009

警官がきた

古物商許可の手続きのため、警官が来訪しました。ここから車で10分ほどの赤塚公園の派出所の方でしたが、え、あんなところまで派出所がないの?と少しびっくり。

Wednesday, August 26, 2009

BOB DYLAN Christmas In The Heart. クリスマスアルバム!

ボブディランのニューアルバムは10月13日発売予定のこのアルバム。なんとクリスマスアルバム!収録曲は

"Winter Wonderland,"


"Little Drummer Boy"


"Must Be Santa."


"Here Comes Santa Claus,"


Feeding Americaへの全額寄付アルバムだそうです。

Bob Dylan commented, "It's a tragedy that more than 35 million people in this country alone -- 12 million of those children -- often go to bed hungry and wake up each morning unsure of where their next meal is coming from. I join the good people of Feeding America in the hope that our efforts can bring some food security to people in need during this holiday season."

Tuesday, August 25, 2009

Adrian Tomine

http://www.adrian-tomine.com/
久々のヒットかも。すごくいいですね。
今モーニングでやっている望月ミネタロウはこれにすごく影響され(あって)いる?
辰巳ヨシヒロrespect.なんですね。わかる!

追記:より詳しくはこちらの日記に書きました。

(500) Days of Summer

面白そうな映画。
http://www.foxsearchlight.com/500daysofsummer/

トップページを作ってみた。

Monday, August 24, 2009

どこよりも冷たいところ S.J.ローザン

うれしくなって昔書いた紹介文を再録。

どこよりも冷たいところ S.J.ローザン 創元推理文庫

リディア=ビルもの第四作。
今回のビルは、レンガ工に化けて潜伏捜査を行う。この、レンガを積み上げる行為の描写がいい。
ディメイオが立ち上がり、私たちは作業を開始した。レンガを取ってはモルタルを塗りつけ、汗みずくになってはコーヒーを飲み、きれいな目地を作る。建設現場特有の騒音ー怒鳴り声やエンジンの咆哮、ノコギリのダイヤモンド刃が上げるうなりーに、ディメイオが打ち付けるレンガ用ハンマーの歯切れよい音や、人の行き来につれて足場の板がきしむ音が重なる。七月の太陽はゆっくりと移動しながら毛布で包み込むように熱気を放射した。両腕がだるくなったがはじめてきた日のようには痛まない。体の動きにもリズムが生まれ、滑らかになってきた。今していることに集中した。このレンガはここに、向きはこうして、モルタルをすくう、腰を伸ばす、次のレンガを手に取る。ここにもつながりがある。初めのうちは気がつかない、体の動きと物が連動し、調和するというつながりがある。スクリャービンとレンガ、そして、きらきらと光る埃っぽく熱い大気が喜びを見出した。(308p)
まるで散文詩だ。しかも、ビルはレンガ工になるというのを自分で提案した。それは、自分の手でひとつの物体を形作る仕事がしたかったからだという。ひとつの硬いレンガを持ち、レンガを延々積みあげて一つの更に大きなものを作る。それが、仕事だ。

もちろん、相棒のリディア・チンも大活躍。彼女が出てくるだけでページが華やぐ。
この彼女、日本のカバーイラストのおかげではとてもかわいらしいイメージを持つが、海外の表紙はやけに暗く、イラストもなく、そうした先入観なしで読み始めるとまた違った小説なのだろうな、と思う。チャイナタウンの女性探偵は、もっとはしっくこくて暗い現実味がありそうだ。

S.J.Rozan

The Shanghai Moon

With The Shanghai Moon, S. J. Rozan returns to her award-winning, critically acclaimed, and much-loved characters Lydia Chin and Bill Smith in the first new novel in the series in seven years.

Woo-hoo! Lydia and Bill are back!

http://www.sjrozan.com/rozan/shanghai/shanghai.html

これはうれしい!待てない!S.J.ローザンの新作がリディア・ビルものだ!

許可申請

古物商許可申請にようやくいった。
つくば中央署の生活安全課。警察署はあまり自分からはいかないところなのでものめずらしく、つい刑事課にいってしまいそうになる。いい感じに古くて昔の警察小説も似合いそう。
誓約書などを教えてもらいながら書き、すべての書類をコピーとりにいったん外へ。19000円収入証紙を買って戻る。無事とおれば1ヶ月後ぐらいにくるかな。
買い取りはまだできないが、自分のものを売ることはできると説明を受ける。ぼちぼちはじめますか。

Friday, August 21, 2009

http://www.simplecartjs.com/

海外対応を考える。

http://www.simplecartjs.com/
安全なのかな。支払い自体はpaypalだからいいのか。

証明書

水戸まで登記されていないことの証明書をとりにいく。これは、3年前まで東京法務局でしかとることができず、今でも県庁所在地の法務局でないととれないらしい。なのでわざわざ行ったわけだが。その証明書自体は3分でとることができた。
古物商許可申請にはあと住民票と身分証明書が必要らしい。つくばに帰ってきてから市役所に行き、住民票と一緒にとろうと思ったら。「本籍地でしかとれません」といわれる。本籍地は水戸にしてあるのだ。。。今帰ってきたばかりなんです、というと、受付の女性に気の毒がられる。
郵送で請求できるということなので、書式コピーをもらい、携帯で水戸市役所の住所と公布料を確認し、小額為替350円分を買う。「手数料100円です」さすがにめまいがしてきた。コンビニで免許のコピーをし、車で一式をまとめ、投函。公安へいけるのは早くて月曜日か。
ますますカフカっぽくなってきた。カフカブックスにしようかな。

Wednesday, August 19, 2009

明日は

法務局へ書類を。登記されていないことの証明書、という名の証明書をとりにいく。カフカっぽい。それにしても全茨城で水戸法務局しかとれない証明書ってのもどうか。これもカフカっぽい。

Tuesday, August 18, 2009

少しづつ

まあ、ぼちぼちと。
ともいっていられないのですが。