Tuesday, December 1, 2009

最後の真実

ジェフ・エメリック 「ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実 」という本を、
いつだ、日曜日からずっと手放さずに読んで、今、読み終えた。
面白かった!おかげで他の仕事がちょっとおくれている。でも、それをおいておいても読んでしまった。

著者のジェフ・エメリックは、知っている人は知っているだろうけどレコーディングエンジニア/プロデューサーで、何度かグラミーも受賞している。ビートルズでは、そのデビュー時から同じスタジオで働きはじめ、リボルバーとサージェントペパーでは、いろいろな録音技術を試み、そのサウンドづくりに大きく寄与した。

ともかく、細部がリアルで生々しい。ループサウンドをつくるのにテープの張りをキープするために、他の仕事の人を何人もかりだして、廊下に鉛筆を持って立たせ、ガイド役をさせたところとか、アビーロードスタジオ(EMIスタジオ)の運営に関する内幕がザ・ビートルズの解散に与えた影響だとか、ヨーコの振る舞いだとか、EMIスタジオはもとは軍事用の目的でつくられただとか、満載です。

ぼくはこうした作品の構築術(内幕の暴露や楽屋話とは明確に違う)が大好きなのですが、著者はものすごくイギリス人らしく、クールな観察をしています。

つまり感傷的に、センチメンタルに陥らずに書いているため、一種の報告書めいているところもおおいに気にいりました。

本当に、ザ・ビートルズは絶妙のバランスで成り立ち、そしてそれは青春であったのだなぁ、としみじみ感じます。そして、オール・シングス・マスト・パス。すべては過ぎ去るのです。

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