Saturday, January 2, 2010

あけましておめでとうございます

今年もよろしくお願いいたします。
笠間稲荷へ初詣に行きました。今年は前厄です。厄よけを買ってきました。厄よけ詩集をはなさず身につけようと思います。

Tuesday, December 29, 2009

2009年なんでもベスト10 第1位はADRIAN TOMINE!

超個人的な2009年なんでもベスト10、第1位は・・ダラダラダラダラダ(ドラムロール)
ADRIAN TOMINE!

ぼく、この人のこと全然知らなかったんです。で、出会ったのが今年なんですけど、一目惚れでした!それで、洋書で一冊買ってしまいました。それがすてきですてきで。もーいまべた惚れです。

Adrian Tomineは1974年サンフランシスコ生まれ。現在ニューヨーク在住。1991年からはじまった「Optic Nerve(視神経?)」というシリーズが評判になり、ニューヨーカーの表紙やエスクワイアなどにも登場するようになります。

ワイアド・コムの評として「われわれの時代の偉大なグラフィックノベリストのひとり」とありますが、まったく同意見です。その魅力は、テーマと絵と会話がすばらしく一致しており、まさしくいまの時代の(けっしてわかくない)ひとびとを浮き彫りにしている点です。
なぜかよくわかりません。でも、いまのぼくの気分にも、考えたり感じたりしていることにひどく調和するのです。

たとえば「スーパーマーケット」というタイトルの話。盲目の男性がスーパーマーケットにやってきて、顔なじみの店員の若い女性に親切にされ、おしゃべりを楽しみます。しかし店を出てボーイフレンドとふたり連れのとき、おなじ盲目の男性とすれ違うと、「ちょっと黙って」とボーイフレンドにいってしまいます。
話としてはこれだけです。しかし、スーパーマーケットで若い女性が相手に親切にする仕草、会話の内容、盲目の男性の楽しげでどこかもの悲しげな様子。すべてが絵にマッチしていて、これはもう才能というしかないですね。

イラストもすばらしく、NEW YORKERなど、何度も表紙を飾っているようです。また日本の、特に辰巳ヨシヒロの本をプロデュースして海外で出版したりもしているようです。

SLEEPWALKをすこしづつ読んで楽しんでいます。

http://www.adrian-tomine.com/

さて、これでベスト10が終わったわけですが、惜しくも選外になったものは萬福亭のおいしかったコーヒー、ベケット伝、谷根千最終号、夏にいった友部正人さんのライブ(同じ列車で同じ車両でした!)、高遠の夏、長男の成長、などなど楽しいことがいっぱいあった2009年でした。

明日から水戸の実家へいくので、またPCを持ち歩くという習慣が基本的にないので、また携帯は通話のみの設定なので、ブログも年明けまでお休みの予定です。トゥイッターも。ではでは。みなさんよいお年を。夢をわすれずに!

今年のなんでもベスト10 第2位はアリュメットショコラ

いよいよ第2位までやってきました。けっこうたいへんですがやってみるとおもしろいですね、順位づけって。

今年のなんでもベスト10、第2位はDavid Painのアリュメットショコラと、David Painのスイーツに決定!

アリュメットショコラとは、パイの生地にカラメルソースを絡ませ、そのうえにチョコレートをかけたお菓子です。ぼくは、ダヴィッドのお店でみるまで知りませんでした。

ダヴィッドのブログを調べると、売り出したのは2008年11月ごろのようですが、今年の春先までずーっとこれを食べていた気がしますし、つい先日、わざわざ予約して買ったときにはやはりのうまさにほっぺがぼたぼた落ちるほどでした。

かかっているチョコレートもあまりあまくない、上質なチョコレートですし、もちろん天然酵母100%がウリのパン屋さんですから、ほかの素材もちゃんと考えてあるわけで、よそのお菓子とはひと味もふた味も違います。

あのですね、パイ生地のサクリ、とカラメルのさめて硬くなったパキャリ、と、チョコレートが一体になって口の中にひろがるうまさよ!至福です。つくるのに手間がかかるらしく、期間限定でしたがはやくまた再開してくれないかなー。こんなお菓子ほかにないぜよ。

もちろん、ほかのダヴィッドのつくるスイーツも今年も大変おいしくいただきました。マカロン、タルト、フラン、もちろんカルネ、ああ、クリームブリュレもまたつくってくれないかなぁ・・・。

堂々の第2位です。歩いて3分のところにこんな店があるなんて幸せ。そもそも引っ越しの下見のときにこのお店に遭遇しなかったら引っ越さなかったかもしれないなぁ。今年はもう少し畑もがんばるからね!

ダヴィッドパンのブログ | こちらはアリュメットショコラの記事
ダヴィッドパンのサイト

Sunday, December 27, 2009

今年のなんでもベスト10 第3位は藤幡正樹「不完全な現実」

いよいよベスト3になってきました。今年の第3位!

ベスト3 不完全な現実 デジタル・メディアの経験 藤幡正樹著 NTT出版

パチパチパチ。藤幡さんとは実は間にひとり挟まってのお知り合いです。あったことはないですが。ずっとお世話になっているマツコさんのお知り合いだったとか。
それはともかく、これは名著ですよ。なぜもっと取りあげられないか、まったくわからない。デジタル・メディア、またはメディア・アートというのは今の日本では既に過去のものとしてあしらわれていますが、世界的にはまったくそんなことはない。むしろ、PC/CPUの処理能力があがっているのでほんの数年前ならできなかったことも実現できる、非常に面白いことになっているのです。(それとは別になぜ日本でメディアアートが根付かず、過去のものになっているかは非常に興味深い)

藤幡正樹さんはメディア・アートの第一人者。現東京芸大教授。本書は2005年から2008年までに「インターコミュニケーション」に書かれたエッセイをもとに書き下ろしを加えて再構成されている。「リアリティとは何か」「ひとはリアリティをどのように感じているのか」をテーマに、その入り口としてデジタル・メディアを扱った、非常にユニークで刺激的な本だ。

本書にひいた多くの傍線から引用すると

現実感というものが常に人間の側で都合の良いように作り出されている。
不完全さを指し示すことによって、リアリティが現前するのではないか。
「現実は不完全であり、この現実では完成できないでいる事柄が存在する」
近代を作り出す上で、各個人が単一のリアリティの中にいるとするプロパガンダは非常に重要であったがしかしそれは幻想なのかもしれない。

第一章からだけでもこんな感じ。いかに自分たちが不完全な存在か、わかっているつもりでも別の角度からこのように再認識させられると戸惑う。
特に何かをつくろうと思っている(ブログを書いたりtwitterしたりも含め)ひと全般におすすめの今年のぶっちぎり刺激本。