今日もつくばはさむいけれど、青空がひろがり、いい天気です。すこし雲もあるけれど。
今年の音楽、本、そのほかもろもろ、ベスト10をつらつら考えています。なんというか、ひとくちでいって今年は激動の年でしたが、自分の身におこったこと以外で、考えています。BGMは、年末になると、というか、冬になると聞きたいThe Books Lemon of pink。
第10位 ケルアック再訪
今年は何年かぶりにジャック・ケルアックを読み返しました。秋から冬にかけて。『地下街のひとびと』、『ビッグ・サーの夏』、『孤独な旅人』。『路上』の新訳(オン・ザ・ロード)は、実はまだ読んでいなくて(もっているけど)、旧訳を何章か読んだり。バリー・ギフォードの『ケルアック』も読みました。
ケルアックにであったのはたぶん、高校生ぐらいの頃。やはりというか、『路上』でした。すごいインパクトで、それからずっと重要な作家です。22ぐらいの頃、友人と芝居をして、その客入れのためと言い訳をして、ケルアック朗読CDの4枚組を(当時でも1万以上はしたのでは)大阪で買い、聞こえるか聞こえないくらいの音量で流していたのだけど、それを評価してくれたのはひとりだけでした。
それから何年かごとにケルアックが読みたくなり、だいたい読んだと思うのですが、なにしろケルアックなので、物語を覚えているというよりは、文章の持つイメージが、何となく残るというものです。
バロウズ、ギンズバーグ、それぞれに重要ですが、ケルアックは特別なのです。なぜかはよくわかりませんが。
今年よく読んだのは、『路上』の季節が終わり、ゆるやかにだめになっていくケルアックでした。この、「だめになっていく」というニュアンスがうまくいい表せませんが、パリに行ったり、ビートニクからはなれていき、死んでいくケルアックが心に残ったのでした。