Wednesday, November 11, 2009

ニューズウィーク「本と雑誌と新聞の未来」特集

本日売りかな、ニューズウィークが特集していた。
キンドルの話と、コンデナスト「グルメ」誌廃刊の話と、新聞救済の話と、ブログの話と。

キンドルは、もしくはNookは、確実に普及し、売り上げを伸ばしていくだろう。
おそらく10年後くらいには、広く一般に浸透し、売り上げが紙の本を抜いた、などと伝えられるかもしれない。
遠くない将来、ネット広告がテレビ広告の売り上げを超えるように。

思えば、iPodがでる前、みんなはなにで音楽を聴いていただろう。
MD? テープ? あのかさばるCDウォークマン?
iPodがでたのは2001年。まだ10年経っていないのに、すっかり音楽デバイスの中心にいる。
割安の音楽データを買うために、1−2万のハードを買うことを誰もためらわない。
同じようなことが本におこるだろう。
もちろん、今のキンドルやNookは改良され、(iPodのように)製品としてさらに使えるものになり、洗練されていくだろう。
飛行機や旅先で、また寝転がって布団の中で、キンドルを読むのが日常になり、
そのキンドルには新聞もブログも読めるようになるだろう。
(寝転がってデータ文字を読むことができるのはかなりのウリなんじゃないかな)

では紙の本は絶滅するかというとそんなことはなく、
少々お高く、価値のわかる、違いのわかる人たちのものになるだろう。
今やちょっと話題のCDは、データででて、CDででて、LP(重量級)ででるように。

ソニック・ユースのサーストン・ムーアはデータで音楽を買ったことがないそうだ。
そういった人はかならずいる。
絶対数はもちろん少ないけれど。そうした人たちのモノへの考え方は変わらないし、だからといって悲観したり寂しがったりする必要もない。商売のやり方が変わるだけ。

考えてみれば今でもハードカバーと文庫本/ペーパーバックがでているしね。
ペーパーバックはどんどん電子化されるんだろうな。
売れ筋のハードカバーは売り手の利益率を考えると、発売後しばらくは電子化されないかもしれない。
それはその本への到達スピードに対価を支払うか、というだけのこと。
売り手の存続のためにはある程度は必要なことだと思います。
(タワレコで輸入盤の入荷時期が調整されていたりとかとおなじこと)

ただ、今までのやり方は、そのままでは通用しなくなる。
新しい作り方、売り方、流通の方法は考えなければいけないけれど、
反対にいえば、それだけだと思う。
なので、あまり大騒ぎすることはないと思う。

それで、この特集を読んだ感想だけれど、
本というものは昔は高級なもので、一般の人は手にすることができず、
辻話やそれこそ詩の朗読、歌手のライブで「人の話(フィクションも、情報も)」を
手にしていた、そうした時代にまた戻っていくのかなぁ、と。

紙のメディアは値段がついて、(相対的にも)高くなっていく。
100年ペーパーとか、革装とか、付加価値もついていく。
無料か、かなり安いメディアはかぎりなく中身のみの値段になっていく。

個人的にはまったくそれでいいと思うのですが、
今までの仕組みで回っていた部分は組み替えされるでしょう。
その組み替えの際に、なにがなくなり、なにが残るのでしょうか。

往来堂のオイリさんは、紙の絵本は残る、といっていました。
紙の絵本はメディアとして一番最後まで残る、と。
そうかもしれん。

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