
The BEATNIKSというバンドがあります。高橋幸宏と鈴木慶一に、その時々でメンバーがはいったりします。いままで3枚のレコードを発表していますが、わたしにとっては2枚目にあたる「ビートでいこう EXITENTIALIST A GOGO」は、なぜか別格の一枚です。
1987年発売ですが、そのころのわたしはこのレコードを知りませんでした。はじめて聞いたのは、おそらく1992年ごろ、所属していた劇団の稽古場で、先輩がきいていたのを横できいたのでした。その先輩はとても尊敬できる先輩でしたので、そうか、こんな音楽が先輩は好きなんだ、と思いながらきいていたら、そのうち自分にとっても特別な一枚になってしまったのです。
もちろん「ライディーン」くらいは知っていましたが、YMOもムーンライダースもほとんど知りませんでした。かわりにケルアックやギンズバーグは知っていて、バンド名がはじめに気になりました。
一曲目「TOTAL RECALL」のイントロを聴いただけでざわざわっと鳥肌がたちます。そして一気にさびへ!とても美しい。二曲目の「ある晴れた日に」は詞が東京次男坊こと鈴木博文さん。ジェット機の音が美しくはかないです。初夏の日の弔い、は幸宏さんの歌詞。”君の言葉に少し疲れて”が秀逸です。たしかに、少し疲れたとき、ひとりになりたいときにきいているかも。the BANDのカバー、「STAGE FRIGHT」もすばらしい。
二人の声がとても調和されており、とてもいい相性なのでしょう。そして、それによりそうかのような演奏が、重ねられているのに透明感が増しているかのような気になります。全体的に澄んだ印象ですが、薄いわけではなく、クリアです。
なにがこの一枚をそんなに別格にしているのか、いま考えましたが、やはり二人の声と、そのサウンドでしょうか。
ラストはPROCOL HARUMのアルバム「A SALTY DOG」から、「Pilgrims Progress」のカバー。リフレインまでカバーしています。これがまた心地よい余韻をつくり、一連の時間があっという間に終わります。
廃盤ということですが、なんとかリマスタリングで再発してもらえないものでしょうか。ぼくのもっているのは1990年のものですが、リマスタリングでさらに音はよくなる気がします。
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